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裏原宿が街ごと水に沈むとき


 

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裏原宿が街ごと水に沈むとき

青山健一です、

ここの所、ラジオ配信ではファッション関係の話が続いてきましたので、今日は少し違った話をしたいと思います。

今回は住居や店舗を決める際の「場所」の話です。

住む場所や店舗の場所を決める際には「リスク」を考えておかなくてはいけない内容です。

具体的には「水害」のリスクを考えておいたほうがいい、ということについてお伝えします。

住居や店舗が水害にやられてしまうリスク

あなたは住む場所を決める時に住居や店舗が

「水にやられてしまうリスク」

についてどれほど考えていますでしょうか。

個人的にはこのリスクを避けること、いわゆる「リスクヘッジ」に関しては、とても関心のあるところでして2019年に出したユーデミーのオンラインコースの中でもそのようなお話をしています。

僕自身、この水害にやられることに関して意識が高いのは、僕の実家が関係していると思います。

僕の実家というのは町内の中でも珍しく、道路の高さから1メートル「盛り土」をした後に建てられています。

これはなぜかと言うと、かつてその土地が田んぼであったことを知っていたからです。

今ではそのあたりは住宅地になっていて、かつての面影もないのですが、青山家というのは代々その土地で暮らしてきた家系で以前の土地の状況をよく知っています。

なので、

「水が出たらやられてしまう」

ということを想定して家が建てられているわけです。

町内でそのように盛り土をして建てられている家というのが、僕の実家の他にも二軒だけあります。

その二軒のお家はどちらも古くから、この土地に暮らしてきた人達です。

なので僕自身は物心ついたときから、

「住んでいる家は水害によってやられてしまうかもしれない」

ことを意識して育ってきているんですね。

2019年9月9日に関東に上陸した台風15号、そして10月12日に日本に上陸した台風19号によって各地に甚大な被害が及ぼされたことは記憶に新しいと思います。

僕自身の店舗は幸いにして、被害もなく免れたのですが、鉄道各社の計画運休などにより店舗の営業は行えませんでした。

今年2020年の秋は大きな台風の被害などがありませんでしたが、2021年以降必ずまた台風による被害がもたらされることが確実だと思います。

今現在、水害にやられていないこの時期に考えておくことはとても重要かと思います。

川の上にお店を建てる?

僕がこの店舗経営者における場所のあり方を強く意識したのは、渋谷の宮下公園がミヤシタパークという商業施設として再開発されるというニュースを見た時です。

もうすでに2020年7月の時点で商業施設のミヤシタパークはオープンしているのですが、かつて再開発のニュースを聞いた時に僕が思ったことは

「川の上に店を建てちゃうんだ?」

ということでした。

宮下公園というのは渋谷川に沿って作られている公園だったので、

「川が溢れたらどうするんだろう?」

というシンプルな懸念が浮かんだのです。

もちろんそのような心配はないように建てられている近代的な施設ではあるはずなのですが、川の上に建物を建てるようなイメージに、なんとなんとは無しに危うさを感じました。

地名に水が関係している所は注意が必要

これは古くから言われていることですが、土地の名前に水が関係する文字がある場所は、かつてその地方が川や沼や湿地帯であった可能性が高いということですよね。

「渋谷」には「谷」という文字がありますし、「宇田川町」という地名には川という文字がついています。

僕の店がある津田沼なんてひどいもので、船着き場を意味する「津」、水を貯めて稲を育てる「田」、そして水が溜まっている場所である「沼」ということで三つの文字全てが水に関係しています。

なので、土地の場所によっては「水の被害を受ける可能性がある」と捉えていいかと思います。

海抜や、標高自体は高い場所にあったとしても、土地にくぼみがあったりするとその周りは水が溜まるということですよね。

このように地名が水を表す場所は数多くあって、「品川」とか「お茶の水」とか「千駄ヶ谷」とか。

そもそも東京自体が「江戸」なわけで、東京湾の入江っていう意味ですね。

裏原宿は水没地帯

僕は古着屋なので古着のお店が多く集まっている原宿辺りの土地をハザードマップで調べたことがあるんですけれども、裏原呼ばれている地域、キャットストリートがある辺りまで、あそこは水が出ると10 cm~2m くらい水没する可能性がある。

現在では川そのものが溢れなくても内水型の氾濫という事で下水道から水があふれて、水害になる可能性が指摘されています。

台風でなくても、突発的なゲリラ豪雨でそうなる可能性もあります。

物販の店舗さんであれば30cm ぐらいまであれば、商品を高い位置に避難すれば大きな被害はないかと思うのですが、裏原宿辺りとかになってくると地下に店舗を構えていらっしゃるお店さんも少なくありません。

たとえ10cm も20 cm でも町が水に沈んだ時、地下にお店があったらその被害はどのようになってしまうか想像もつかないですよね。

それでもまだ商品を動かせるような物販の店舗さんであればいいと思うんですけれども、もう逃げられないのが大きな業務用の機材を置いてあるお店さんですね。

飲食店さんであるとか、美容室さんであるとか、歯医者さんであったりとか。

業務に必要な大きな機材を置いてある店舗さんは、水没してしまったら一発アウトです。

冷蔵庫とか、シャンプー台だとか、レントゲン撮影の機械なんて移動できないですよね。

なので、水が出るとされている地域に地下に店舗を構えているお店さんというのはかなり注意が必要かと思います。

実際に2019年、台風19号の多摩川氾濫で大きな被害を受けた二子玉川の歯医者さんは、半地下にあったため機械が全てやられて4千万~5千万円もの被害を受けたそうです。

古い神社やお寺、鎮守の森がある土地は安全

では、ご自身が住む場所を決めたり店舗を構える時にどのようなことに気をつければいいのかということなのですが、やはり基本的にはハザードマップをよく調べておくことが大事かと思います。

そしてその土地の由来を調べてみる。

土地の名前に水が関係する文字が入っている場合は注意が必要ですよね。

比較的安全とされるのは、その土地に古い神社やお寺や鎮守の森が残っている場合です。

神様のご加護があるからその土地は守られている、ということもあるのかもしれませんが、冷静に考えてみて建立から数百年残っている神社仏閣があること自体、その土地が台風や津波、川の氾濫などの自然災害にやられていない、という証明になります。

寺の門前町は栄える、と古くから言われていますが神様、仏様のご加護という以前に、その土地が自然災害にやられず安全な土地だからという理由もあると思います。

2019年に内水型の氾濫でタワーマンションがやられてしまった武蔵小杉という街には、何百年と続くような古い神社やお寺さんが一件もありません。

あそこはもともと工場があった土地で、それより古くは湿地帯であったようです。

2020年は大きな水害の被害が台風によってもたらされていない状況ですが、2021年以降再び大きな水害に見舞われる可能性は高いと思います。

2020年のコロナの影響で店舗の移転や住居の引っ越しを考えたり行ったりする場合は少なくないかもしれません。

その際には場所を決定する前に必ず一度、ハザードマップを確認するようにしてください。

商売がうまくいっても水没しては水の泡

店舗さんであれば、どんなに商売がうまくいっていたとしても、1回の水害ですべてのビジネスを失ってしまうリスクがあるかもしれません。

先ほどお伝えした原宿であれば、2021年以降、ゲリラ豪雨や大きな台風が来て内水型の氾濫がおこった時に

「裏原宿が街ごと壊滅状態」

とかいう事態になっては、日本のファッション文化にとって大きな損失です。

そうならないように、今から対策をしておきたいですよね。

是非今一度考えてみてください。

それではまた!