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木製のシューキーパーが革靴内部の湿気を吸うという幻想
青山健一です、
今回は革靴をとても大切にする人に多い、ちょっとした考え方のズレをお伝えしたいと思います。
それは何かというと、
「 シューキーパー(シュートリー)は木製のものが良い。なぜならば木製であれば靴の中の湿気や汗を吸い取ってくれるから」
というものです。
この考え方実はちょっとずれてるんですね。
決して「間違い」ということではないのですが、 物事の本質から大きくかけ離れています。
このことについて今回はお伝えします。
シューキーパーの目的を正しく理解する
シューキーパー、シュートリーとも呼ばれますが、これは何をするための物かと言うと靴の形を整えるための品です。
ここの目的をきちんと明確にすることがとても大切です。
シューキーパーを利用する一番の目的は
「靴の形を整えること」
です。
この目的を達成することができるものをシューキーパーを選ぶ基準にしてください。
その為であれば、材質はあまり関係ないということになります。
木製ではなくプラスチック製のものであったとしても、靴の形をきれいに整えることができるのであれば、それはシューキーパーとして優れている品となります。
このようにお伝えすると、
「でも実際に木製のシューキーパーであれば、靴の中の湿気を吸い取ってくれるではないか?その方がいいじゃないか!」
と考えられる方はいらっしゃると思います。
確かに木製のシューキーパー、特に無垢のシューキーパーであれば、素材の木が湿気を吸い取ってくれることでしょう。
しかしそれは本当に微々たるものなんです。
乾かすことが目的であるのであるのならば、そもそもシューキーパーを入れずにそのまま自然乾燥させた方がいいんです。
洗濯物を木の板に貼り付けて乾かしますか?
ここでちょっと考えてみてもらいたいんですけれども、あなたは洗濯物の T シャツを乾かソートする時にどのようにして乾かしますか?
木の板に貼り付けたり、丸太に貼り付けたりして乾かしていますか?
木製であれば素材が水分を吸い取ってくれるからという理由で、 マルタに貼り付けて T シャツを乾かしませんよね?
乾かすことが目的であれば、風に当てたり、空気に触れさせて、水分を空気中に蒸発させた方が早いんです。
そうですよね?
革靴でも同じことが言えます。
乾かすことが目的であるならば、シューキーパーは入れずに靴の内部を空気に触れさせた方が目的は達成される。
それは木製であろうともプラスチック製であろうとも同じことです。
シューキーパーが湿気を吸ってくれるというセールストーク
ではなぜこのような理論が、世間一般で大手を振ってまかり通っているのかと言うと、これが、シューキーパーをあなたに売ろうとする
「販売側のセールストーク」
だからです。
木製のシューキーパーに少しでもメリットを加えているって言う事なんですね。
なぜならばその方があなたが、木製のシューキーパーを買ってくれる可能性が高くなるからです。
これは靴のお手入れの際にも言えることなのですが、あなたが行おうとしている事の目的と
手段をきちんと合わせることが大切です。
現代のように情報が多すぎる状態においては、情報のある一部分だけが切り取られてそれがいいように伝えられることが往々にしてあります。
シューキーパーの目的は「靴の形を整えること」です。
目的に果たすための道具を使用する
靴の内部を乾かすことが目的であれば、その役目をシューキーパーに求めるべきではありません。
ではどうすればいいかと言うと、それ専用の吸湿性のある木のチップが販売されています。
M モウブレイであれば、「シダードライ」、とか、「ひのきドライ」といった除湿乾燥剤の商品です。
これらは木の破片を細かく砕いたチップとなって布の袋に入っております。
これを1日革靴を履いてきた後に靴を脱いだら、靴の中に入れてください。
吸湿性のあるチップが驚くほど、靴の中の湿気を吸い取ってくれます。
例えば夜帰ってきて、革靴の中にこのシダードライを入れ込み靴の中の湿気を吸い取らせたのであれば、次の日の朝他の靴を履いて出かける時に、シューキーパーを入れて形を整えればいいと思います。
湿気を吸い取らせたシダードライなどは、天気の良い日に外に干せば乾燥させて再び使用させることができるので効率的です。
これが目的に沿った道具の使い方です。
木製のシューキーパーが湿気を吸い取ってくれるのは事実ではあります。
ですが、その効果は
「逆にシューキーパーを入れない方が靴の内部は乾く」
程度のものです。
道具は一番の目的に合わせて選ぶようにしてみてください。
それではまた!