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革を磨く前に知るべきコードバンの原理

 

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コードバンの輝きの秘密

 
 
青山健一です、 
 
 
今回は、希少性とその美しさから 
 
 
【革のダイヤモンド】 
 
 
と、うたわれるコードバンの皮革についてお伝えします。 
 
 
 
コードバンとは誕生の地とされるスペイン・コルドバ地方の名を持つ馬のお尻の革の事。 
 
 
ただ、普通の馬のお尻からは取れない革となります。 
 
 
ある種類の農耕馬の尻の部分だけを使って作る革なのです。 
 
 
しかし、機械化された現代において農耕馬なんてほとんどいませんよね。 
 
 
なのでコードバンは昔と違って生産量がとても少ない革なのです。 
 
 
しかも1頭の農耕馬から取れるコードバンの量は、紳士靴が1~2足作れるかどうかの量でしかありません。 
 
 
それだけ貴重な革ということになります。 
 
 
なので現在ではコードヴァンで生産された革靴は一足あたり日本円で10万円から15万円ほどする高額なお品となっています。 
 
 

コードバンの比較の魅力とは?

 
 
 
革靴屋革製品がお好きな方であればとても魅力的で大人気の比較がコードバンです。 
 
 
それだけ皆さんコードバンの皮が好きなわけですけれども、では一体なぜ人々がコードバンを好きなのでしょうか? 
 
 
恐らくなのですが、コードバンが好きな方のほとんどは 
 
 
 
「コードバンだけが持ちうる独特の美しいツヤ、輝き」 
 
 
 
が魅力的だからと答えられる事と思います。 
 
 
もちろん、「コードバン革靴の履き心地が好き」という理由もある事でしょう。 
 
 
しかし、 
 
 
「同様の履き心地の靴があったとして、カーフレザーと同じ見た目の革靴をコードバンほど高額の値段で購入するか?」 
 
 
と言われたらはなはだ疑問です。やっぱりコードバンの革だけが持つ特有のツヤ感が魅力の一つであるのは間違いのない事実だと思うんですね。 
 
 
ではあなたはこのコードヴァン特有のツヤはどのようにして出しているかご存知ですか? 
 
 

コードバンの独特の美しさの特徴

 
 
これを理解するためには、コードバンの革の特徴を知っておくおく必要があります。 
 
 
商品化されたコードバンの革には、スムースレザーと呼ばれるには皮革には存在する「銀面」がありません。 
 
 
ここでちょっとイメージしてもらいたいのですが、 
 
 
あなたが革靴のお手入れをするのであれば、おそらくお手入れ用のブラシをお持ちだと思います。 
 
 
あのブラシを毛の部分を空に向けて地面に置くと、垂直に上に向かって毛が立ちますよね? 
 
 
革の繊維組織があんな状態になっているのがコードバンの表面なんです。 
 
 
そのままでは光沢感が出ないので、空に向かって立ち上がっている革の繊維を、無理やり潰して平らにしていきます。 
 
 

グレージングでしかコードバンのツヤは出せない

 
 
そのために 
 
 
 
「Glazing (グレージング) 」 
 
 
 
という作業をおこなってこの光沢感を出しているのです。 
 
 
コードバンでいうグレージングとは何かというと 
 
 
ガラスやメノウなどで出来た硬質なローラーを使用して革の表面をこする事 
 
 
になります。 
 
 
こする際に生じる摩擦の熱によってコードバンの表面に立っている繊維を寝かしつけてツヤを出します。グレージングの現場では革が焼けるような匂いがすると言います。 
 
 
かなり強い圧力をかける事で革を焼くようにしてツヤを出すのです。 
 
 
つまり、コードバン独特のツヤ感は、 
 
 
 
「表面をこする事によって出されている」 
 
 
 
というのが事実になります。  
 
 
これこそがコードバンが他の革と違って魅力的なツヤを出している原因なんです。 
 
 
その後に、油や染料などを加え着色したものが製品化されたコードバンです。 
 
 
コードバンの輝きは【 グレージング 】で出来ています。商品化されたときに保有していたあのコードバン特有のツヤ感はこする事でしか表現できません。 
 
 
あなたが、コードバンの皮革が持つ独特のツヤ感が好きと言っているならば、 
元々、 
 
 
「コードバンのツヤは革をこする事で仕上げられている」 
 
 
という事実を覚えておいてください。 
 
 
 

コードバンは水に濡れるとシミになるのか?

 
 
 
さて、コードバンの繊維のこの原理を覚えておくとお手入れに応用できます。 
 
 
コードバンは水に濡れるとシミになるという話を以前はよく聞きました。 
 
 
さすがに最近は正しい情報がきちんと入手できるようになったので、シミになっていると捉える方は少ないかと思います。 
 
 
水に濡れると白っぽく染みに見えるのは確かなんですね。 
 
 
でもこれは革に何かが染み込んで出来たシミではありません。 
 
 
では一体何かと言うと、 
 
 
 
「寝かせていた毛が水に濡れて立ち上がった」 
 
 
 
というのがその正体なんです。 
 
 
 
男性がコードバンの革靴を履いてトイレに行った帰りに、革靴にシミがついているのを見つけて凹むという話がありますけれども、それはトイレにおしっこをしたり、手を洗ったりした時に、飛び散った水滴がコードバンに付着したんですね。 
 
 
そうすると圧力をかけて寝かしつけていた革の繊維が水にふやけて立ち上がり、その部分が白っぽく見えます。 
 
 
なのでそれを見て 
 
 
 
「コードバンは水に濡れるとシミになる」 
 
 
 
という俗説が出たわけですけれども、これは繊維が立ち上がっただけです。 
 
 
なので安心してください。 
 
 
でも、おしっこを飛び散らかすのは感心できませんけどね。。 
 
 
こうなった場合はどうすればいいかと言うと、アビースティックというコードバン専用の水牛の角で作った棒で擦ったり、クリームを塗って丁寧にブラッシングで繊維を寝かしつければいいのです。 
 
 
水に濡れて立ち上がっただけですので、また革を擦って寝かしつければいい。 
 
 
そうすれば再びコードバンに輝きが戻りますので、コードバンを光らせたいときはとにかくこするということを覚えておいてください。 
 
 
参考にしていただければ幸いです。  
 
 
それではまた!